かつては、ばら撒き、箱物支援と言われた日本のODAもソフト支援を加え、特に昨今では新興国の台頭が全世界に影響を及ぼすに至り、より戦略的・全方面的になってきています。一方で、弊社を含めて国際化が始まったばかりのサービス業界にとっては、ともすればODAが海外進出の参入障壁となり、また現地で競合することもあり得ますので注意が必要です。

 

  • ODAの戦略化は好ましいが、まだまだ残るばら撒きODA

2017年の開発協力白書にては「質の高い成長」や「普遍的価値の共有」、「地球規模課題への取組」といった課題認識のもと、積極的平和主義に基づく国際協力を進めると謳われています。確かにベトナムでは日本企業も参加しているギソン製油所への資金支援や、運用を含めた地下鉄工事の支援など、ベトナムの課題に応え、箱物を超えた支援も見られます。

一方でここ10年のベトナムでの支援を見渡すに、裾野産業育成、工業国化、産業人材育成と時勢に応じて名分は変わるものの中身の変わらない支援事業も見受けます。「ビジネスの世界ではお金を節約した人が褒められるが、政治の世界ではお金を多く使った人が褒められる」と次期出馬を辞退した国会議員もいましたが、ベトナムも中所得国入りし、多くのサービス企業もベトナムへの進出を始めるに至った今日でも、10年も前より続けている事業を進化することもなく続けている支援があることは残念な限りです。

 

  • 参入障壁・競合ともなるODA支援

これまでの日本の海外進出は製造業が中心でしたので、製造業の海外進出を支えるサービス提供の役割を支援事業が担うことには致し方ないところもあります。

弊社は始めはベトナム企業の育成に役立てばと人材育成事業を始めましたが、行く先々で「支援事業に頼めば無料なのに、なぜ金を払う必要がある?」と冷たい反応を受けました。ならば支援事業に参加してはと事業の委託に応募したところ「御社は競合だから。。。」と面談ではっきりと言われる始末。おかげで存在が知れたのか、以後は事業評価の面談の依頼をいただいていますが、弊職の意見が評価内容に反映されたことはありません。幸い弊職は様々な苦難から経験を積み、より的を得たサービスができるようになっているようで、事業上の問題はありませんが、常に競合を意識する民間企業としては目の上のたんこぶです。

ベトナムのような所得水準がまだ低く、サービスや知財にお金を払うという習慣が成熟していない市場を対象としたサービス事業の展開は、日本市場に比べてひと工夫が必要です。そんな中、日本政府の支援事業はODAにより安価なサービスでも成り立つ構造があり、また日本政府のお墨付きという信用力からベトナム・日本政府関係機関の後ろ盾を得やすい優位性もあります。

特にサービス企業においては、日本政府の支援も参入障壁や競合となりうる点に、注意を払うことが必要です。

 

  • 参入障壁・競合ともなるODA支援

これまでの日本の海外進出は製造業が中心でしたので、製造業の海外進出を支えるサービス提供の役割を支援事業が担うことには致し方ないところもあります。

弊社は始めはベトナム企業の育成に役立てばと人材育成事業を始めましたが、行く先々で「支援事業に頼めば無料なのに、なぜ金を払う必要がある?」と冷たい反応を受けました。ならば支援事業に参加してはと事業の委託に応募したところ「御社は競合だから。。。」と面談ではっきりと言われる始末。おかげで存在が知れたのか、以後は事業評価の面談の依頼をいただいていますが、弊職の意見が評価内容に反映されたことはありません。幸い弊職は様々な苦難から経験を積み、より的を得たサービスができるようになっているようで、事業上の問題はありませんが、常に競合を意識する民間企業としては目の上のたんこぶです。

ベトナムのような所得水準がまだ低く、サービスや知財にお金を払うという習慣が成熟していない市場を対象としたサービス事業の展開は、日本市場に比べてひと工夫が必要です。そんな中、日本政府の支援事業はODAにより安価なサービスでも成り立つ構造があり、また日本政府のお墨付きという信用力からベトナム・日本政府関係機関の後ろ盾を得やすい優位性もあります。

特にサービス企業においては、日本政府の支援も参入障壁や競合となりうる点に、注意を払うことが必要です。