ベトナム人材が報連相や主体的な活動に弱いと言うのは良く聞く話ですが、「学校におけるマスプロ教育」が原因と片づけられることにはやや違和感を覚えます。というのも、筆者の学生時代を思い出しても、学校で発表や討議の機会は少なく、先生が一方的に話した内容をノートに取り、ノートの内容で試験に臨むというのが普通の勉強スタイルだったからです。せっかくの機会と思い、ベトナムにおける教育の歴史を少しかじってみました。 ...

ベトナム居住の読者の皆さんには、既に経験済みの方も多いと思いますが、ベトナム企業のサプライヤが契約を履行しないケースはよくあります。本年は弊社事務所の引越に伴い、「金の切れ目を」迎えた業者があり、そうした業者からは「縁の切れ目」よろしく、敷金や担保金を返金しないという仕打ちを受けました。幸い被害は小さく収まったのですが、約束を重んじるいち日本人としては、なんとも腹立たしいベトナムの事業環境の現実を再認識させられました。 ...

弊社のベトナム人材への指導にあたって、筆者が一番多用している質問は「目的は何?(Mục dich la gi?)」でしょうか。6月に開催した新任赴任者向けのセミナーにて、「仕事の目的を念頭に作業をする」といった話を披露したところ、セミナーにオブザーバ参加していたベトナム人から、「依頼者に失礼になるので、ベトナム人は依頼者から指示された内容に疑問を持たず、言われた通りにするのです」とのコメントをもらいました。 やはりベトナム人材と日本人材では、「仕事をする」ことの意味の捉え方に違いがあるようです。 ...

先日、ハノイ市内の大学が日本式学士課程を立ち上げるというので設立式典にお邪魔しました。式典はさておき、質疑応答の時間に他大学のベトナム人先生より、「ベトナムの教育は知識偏重で、考える力が養われておらず、実務で役に立たない。本課程ではどのように考えるか」と、なかなか鋭い質問があがりました。 残念ながら担当者は質問者の意図が理解できなかったようで、「本課程は実務に沿った、実社会で役に立つ内容とします」といった、まとはずれな回答となっていましたが、ベトナムでの教育に問題意識を掲げるベトナム人もいるのだと関心するとともに、そうした問題意識がまだ一般的ではない現状が見て取れました。 ...

顧客クレームへの対応や新製品の導入時など、部門間での会議で結論が出ずに、日本人管理者に判断を求める。よく伺う会議や議論におけるベトナム人材の課題です。 もとより値段をふっかけている土産物屋を除き、一般の商店では「嫌なら買うな」とでもいいたげな店主の交渉の余地のない態度を見れば、推して知るべしともいえる状況かと思います。 ...

今年も年度替わりの時期を迎え、帰任や赴任の声を多く耳にするようになりました。筆者は帰任などの予定はなく、いよいよ在越11年目を迎えます。親しくなった方とのお別れの時期でもありますが、赴任される方との新たな出会いに巡り合う時期でもあります。今回は、ベトナムというアウェーの地で新たに経営に当たられる、赴任者の方に向けてエールを送りたいと思います。 ...

ミスを指摘すると、言い訳が止まらない。よく耳にするベトナム人材の課題です。また、問題の原因を問うと「作業者が注意をしていなかったため」「手順書に記載がなかったため」といった言い訳めいた分析結果を回答するケースも良く見られます。弊社の研修講座の中では、こうした間違いを指摘する際に「それは原因ではなく理由でしょう」とコメントします。すると、受講生は比較的すんなりと間違いを受け止めてくれるようです。 ...

日越ともに年も新たまり、今年も頭の痛い人事評価の季節がやってきました。結果や評価はともあれ、なんとか自身の期待する給与水準に近づけるため、あれやこれやと理由を積み上げるベトナム人材に時間を取られる評価面談は気の重い年中行事です。そんな評価面談でベトナム人材から良く聞くのが「それはアンフェアだ」というコメントでしょう。そもそもフェアとはなんなのか、日本人とベトナム人ではフェアネスという言葉への理解に違いを感じます。 ...